「けんせつ小町に会おう！工事現場見学と座談会」を開催しました！
令和7年8月19日（火）、女性を対象にしたイベント「けんせつ小町に会おう！工事現場見学会と座談会」を開催しました（主催：山口県、共催：国土交通省中国地方整備局山口河川国道事務所、（一社）山口県建設業協会、後援：山口県教育委員会、山口県地域を支える建設産業担い手確保・育成協議会）。
このイベントは、建設業で働く女性技術者・技能者である「けんせつ小町」との交流を通じて、建設業に対する女性の理解と関心を高めることを目的に実施しています。今年は、徳山商工高等学校から29名、徳山工業高等専門学校から5名、岩国工業高等学校から2名、山口大学から3名の女子学生39名と、民間企業・中国地方整備局・山口県で活躍する「けんせつ小町」16名が参加し、合計55名での開催となりました。民間企業の小町は、山口県内の建設業に携わる女性で構成される「やまぐちけんせつ小町の会」のメンバーで、日頃から情報交換や交流を行い、建設業界での女性の活躍の輪を広げています。
午前中は「一般国道2号岩国・大竹道路工事現場」を訪れました。岩国・大竹道路は、山口県岩国市山手町から広島県大竹市小方までを結ぶ延長9.8kmの幹線道路で、一般国道2号の交通混雑の緩和や交通安全の確保、山口県と広島県間の広域的な連携・交流促進を目的として事業が進められています。その一部として建設が進められているのが岩国トンネル（全長2958m）です。
今回見学したのは、和木町関ヶ浜地内で施工されている岩国トンネルの起点側の区間。約1700mまで掘り進んでおり、現在は内側にコンクリートを打設するコンクリート覆工が行われています。
当日は、参加者を2グループに分け、作業所での工事概要説明と現場見学を交互に実施しました。現場は住宅地に近接しているため、防音型設備の使用や掘削土砂の搬出方法に特に配慮されており、掘削工事中は、トンネル坑内から岩石や土砂をベルトコンベアで運搬し、ダンプによる運搬作業も昼間に行うなど、地域への影響を最小限に抑える工夫がなされていました。
参加者は、現場の担当者からこうした取り組みについて説明を受けた後、トンネル内部に入り、移動式の型枠や覆工機械を間近で見学。さらに、希望者数名は二人一組でコンクリートスランプ試験に挑戦し、コンクリートの流動性や強度を実際に体験しました。
また、本協会会員である（株）ミヤベの皆さんのご協力により、測量体験や熱中症対策グッズの展示・配布も行われました。参加者は「杭ナビ」を使った効率的な測量方法や空調服、移動式休憩所などを実際に体験し、現場での安全・快適な働き方の工夫を実感。空調服を着た学生からは「涼しい〜」との声も聞かれました。
午後はシンフォニア岩国に移動し、昼食後、座談会を実施しました。学生は８つのテーブルに分かれ、小町と順に交流しながら、建設業で働く女性のリアルな話を聞きました。座談会は和やかな雰囲気で行われ、参加者はお茶やお菓子を楽しみながら交流しました。話題は休日や残業、資格取得や職場での人間関係、ネイルなどの身だしなみ、仕事の安定性や大変さなど幅広く、学生たちは気になることを積極的に質問し、小町の皆さんは自分の体験を交えてわかりやすく答えていました。
参加した徳山商工高等学校3年生の大谷さん（写真上）は、「普段は見ることができない、建設中のトンネルの内部をじっくり見られて、そのスケールに驚きました。座談会では社会人としての心得や一人暮らしのことなども聞けて、とても参考になりました」と感想を話してくれました。
徳山工業高等専門学校3年生の石津さん（写真上）は、「女性限定の座談会だったので、結婚や育休のことなども気軽に聞けて、いろいろな方とお話できて楽しかったです。現場で働く女性たちのリアルなお話を聞いて、かっこいいなと思い、建設業のイメージもさらに良くなりました。将来は大学院で研究を深め、土木分野を教える先生になりたいです」と話してくれました。
けんせつ小町の皆さんからもコメントをいただきました。
（株）ミヤベ 志谷さん（写真上）
「学生さんたちが積極的に質問してくれて、とても嬉しかったです。私自身、ものづくりに関わりたくてこの業界に入りましたが、建設業は自分の携わったものが形として残るのが魅力です。任される仕事が少しずつ増えていくと、自分の成長を実感できて、とてもやりがいがあります。少しでも興味があるなら、ぜひ挑戦してほしいです」
藤本工業（株）久保田さん（写真上）
「自分の学生時代と比べて、建設業に関心を持つ女性がこんなに増えていることに驚きました。建設業は“地図に残る仕事”とよく言われますが、今は完成した現場をGoogleストリートビューなどで確認でき、自分の仕事の成果をより身近に実感できるのも魅力です。これからもっと多くの女性に、この業界に飛び込んできてもらえたら嬉しいです」
井森工業（株）松岡さん（写真上）
「私も3年前まで徳山商工の生徒としてこのイベントに参加していました。けんせつ小町として初めて出席しましたが、建設業界に少しでも興味を持ってくれる学生が多く、とても嬉しく思いました。日常生活や社会活動に欠かせないものを作る仕事に携われ、完成したものが形として残る喜びは、この業界ならではだと思います。今は学生だからこそできることを思う存分楽しんでほしいです！」
今回の見学会と座談会を通じて、学生たちは建設現場の体験や働く女性の姿に触れ、建設業での活躍の可能性をより身近に感じることができたのではないでしょうか。本協会では、今後も国や県と連携しながら、建設業に女性が安心して活躍できる環境づくりや女性の入職促進に取り組んでいきます。
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